【論文紹介】鍼灸で妊娠率が上がる? ~ドイツで行われた体外受精と鍼治療に関する研究~

 不妊治療を受けていると、「何が自分に合っているのか」「もっとできることはないか」と思い悩む瞬間があるかもしれません。三重県内でも、クリニックの治療と並行して鍼灸を検討される方が増えています。
 そんな中、「本当に鍼灸で妊娠率は上がるのか?」という問いに、ひとつの答えを示してくれた論文があります。今回は、ドイツで行われた生殖補助医療と鍼治療の妊娠率に関する研究(Paulusら, 2002年)をご紹介します。

三重県津市の鍼灸院「じねん堂はり灸治療院」では、不妊に対する鍼灸施術について【こちらのページ】で詳しくご案内しています。

目次

移植前後に鍼灸を行うと、妊娠率は上がるのか

 この研究では、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を受ける女性160名が、2つのグループに分らけました。

  • 鍼治療を受けたグループ(80名):胚移植の25分前と25分後に鍼灸を実施
  • 治療を受けなかったグループ(80名):移植後、25分間安静に過ごすのみ

 どちらのグループも、年齢やホルモン値、胚の質などに偏りがないよう無作為に振り分けられ(無作為化)、さらに胚移植の担当医も患者がどちらのグループかを知らされていない状態(盲検化)にして処置が行われました。
 無作為化によって、鍼治療以外の要因が各グループで均等になるよう調整されることは、鍼治療の効果をより正確に評価することに繋がります。
 このように、無作為化を行ったうえで研究の開始時点から介入を行い、結果を追跡調査する方法は「前向き無作為化比較試験(prospective randomized controlled trial)」と呼ばれ、介入(鍼灸治療)と結果(妊娠率)との因果関係を直接的に検証できる利点があります。
 特にこの研究では、盲検化(施術者が群分けを知らない状態)も導入されています。これにより「鍼を受けている患者には丁寧に胚移植を行ってしまう」といった、施術者の無意識な期待が結果に影響する「パフォーマンスバイアス」を防ぐことができます。
 したがってこの研究は、医療研究の中でも信頼性が高いとされる形式で行われたと言えるでしょう。

 鍼治療においては、中国伝統医学に基づいた経穴(ツボ)が選ばれており、たとえば移植前には内関・地機・太衝など。移植後には三陰交・合谷などのツボが使われました。加えて、耳にも細い鍼(耳鍼)を用いて、ホルモンや自律神経の調整を促すとされる耳のツボ4カ所に刺激が加えられました。

 その結果、妊娠率は、鍼治療を受けたグループで42.5%、受けていないグループで26.3%となり、約16ポイントの差が出ました。この差は、統計的にも有意差があるもの(偶然の結果ではなく、介入によって生まれた差である)と報告されています。

鍼はなぜ効果を発揮するのか

 この研究で使用された鍼のツボは、東洋医学の理論に基づいており、子宮の血流を促し、緊張を和らげることを目的としていました。
 また、研究では次のような可能性あるメカニズムが挙げられています。

  • 鍼刺激により脳内のエンドルフィンが増え、交感神経の緊張を抑える
  • 子宮の収縮を抑え、着床の環境が整う
  • 耳への鍼(耳鍼)によって、ホルモンバランスや自律神経の安定が期待できる

 つまり、身体と心の両面に働きかけることが、良好な妊娠環境の形成につながるのではないかと考えられているのです。

科学的な裏付けがあるからこそ、安心して選びたい

 この研究は、Fertility and Sterility(不妊治療分野の権威ある国際学術誌)に掲載された正式な論文です。
 実験の方法や評価指標も明確で、妊娠の有無は超音波で確認される“臨床妊娠率”を基準にしています。また、治療群と対照群の患者背景に差がないこともきちんと確認されており、結果の信頼性を高める重要な要素となっています。
 もちろん、今回ご紹介した研究は2002年のものであり、対象人数も限定的。その後も鍼灸の効果をめぐってさまざまな研究が行われており、「必ず妊娠率が上がる」と断言することはできません。

 とはいえ、それでも……

 西洋医学の専門家たちが、補完療法としての鍼灸の力を真剣に評価している事実は、病院での不妊治療に加えて鍼灸を受療するか否かを判断する「前向きな」材料になると思います。

三重で「鍼灸+不妊治療」を考えるあなたへ

 三重県内でも、不妊専門クリニックでの治療と並行して鍼灸を取り入れる女性が少しずつ増えています。
「少しでも妊娠の可能性を高めたい」
「できるだけ副作用の少ない方法を選びたい」
 そのような思いをもつ方にとって、信頼できる研究があるという事実は、選択肢を広げる材料になるはずです。
 じねん堂は、不妊鍼灸の研究・研修団体である日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)に所属し、病院での不妊治療と併用できる鍼灸施術を行っています。
 
 鍼灸を選択肢として、ぜひご検討ください。

【参考文献】
Paulus WE, Zhang M, Strehler E, El-Danasouri I, Sterzik K. Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction therapy. Fertil Steril. 2002 Apr;77(4):721-4.


費用

会員施術料 4,950円
一般施術料 6,600円
初回料別途 2,200円

その他オプション・割引あり
初回60~90分程度
2回目以降45分程度

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予約

059-256-5110
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 鍼による施術は痛みや出血を伴う場合があります。また、以下のような場合、施術による変化が現れにくかったり、症状の“もどり”が早かったり、施術期間が⻑期に及んだり、施術することをお断りしたりすることがあります。鍼にはネガティブな側⾯があり、万能でもないことをご承知おきください。

構造上の問題による痛み
重篤な疾患による痛み
強⼒なあるいは多種の薬剤服⽤
⾼齢・衰弱による⽣理機能の低下
取り除けない物理的刺激要因
各種⼼理的要因

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アクセス

〒514-1105 三重県津市久居北口町15-7
近鉄久居駅より徒歩15分/伊勢自動車道久居ICより車で5分
駐車スペース常時2台分あり
※看板がありませんのでご注意ください

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