三重・津市 鍼灸とスーパーライザーで突発性難聴にアプローチできる治療院

 三重県津市にある「じねん堂はり灸治療院」では、突発性難聴への鍼灸+近赤外線照射(スーパーライザー)による施術を提供しています。その特徴と理由を紹介します。

目次

突発性難聴は「早期対応」が回復のカギ

「ある日突然、片耳だけが聞こえなくなった」
 突発性難聴は、その名のとおり前触れなく起こる感音性の難聴です。多くは片側性で、耳鳴りやめまい、耳閉感を伴うこともあります。原因ははっきりと特定されていないものの、ウイルス感染、自己免疫反応、内耳の血流障害、ストレスなど複数の因子が関与していると考えられています。
 突発性難聴の治療において重要なのは、発症からできるだけ早く治療を開始することです。
 たとえば、Kuhnら(2011)によると、突発性難聴の自然回復は全体の約32%にとどまり、ステロイド治療を含む医療介入により最大で61%まで回復率が上昇するとされています。また、Wuら(2022)が提案した予後予測ノモグラムでは、発症からの治療開始が1日遅れるごとに回復率が有意に低下する傾向が示されており、「初期7日以内の治療」が特に重要であると強調されています。さらに、佐藤ら(2001)の国内研究では、発症後7日以内に治療を開始したグループの著明改善率は50.7%、一方で8日以降に開始したグループでは28.6%と、早期治療群の改善率が約1.8倍高いという結果が得られています。また同研究では、めまいを伴う患者の方が回復率が低下する傾向にあることも指摘されており、重症例では特に迅速な対応が必要です。 
 このように、突発性難聴では時間との勝負という側面が大きく、「今できる対応」が回復のカギを握っているといえます。

鍼灸とスーパーライザー、2つのアプローチとは?

 じねん堂はり灸治療院では、突発性難聴に対して鍼灸と近赤外線照射(スーパーライザー)を併用した施術を行っています。これらは、ともに血流促進・神経機能の調整・免疫の調和といった点で共通した作用機序をもち、急性期の内耳に対して多面的なアプローチが可能な手法であると考えられています。

鍼灸の役割:血流とストレスに働きかける

 鍼灸には、耳周囲や頚肩部の血流を改善する作用に加え、自律神経系の調整やストレスの軽減、免疫系への働きかけが期待されています。
 Zhangら(2015)の報告では、突発性難聴に対する鍼治療が純音聴力検査(PTA)の改善や耳鳴の軽減に有効であることが示されました 。また、Renら(2024)のより新しいレビューでも、有害事象がほとんどなく、補完療法として安全に実施可能であると報告されています。さらに、Shiら(2024)は、発症から14日以内に鍼灸を受けた群で治療成功率が80.0%と有意に高い結果を示し、介入のタイミングが効果に大きく影響することを明らかにしています。
 Yangら(2023)の報告では、鍼治療が過剰な炎症反応を制御し、免疫系を調整することが示されており、体質や免疫状態への配慮が施術効果に影響を与える可能性を示唆しています。
 ストレス軽減の観点からみると、Eshkevariら(2013)の研究では、鍼がストレス反応系(HPA軸)に働きかけることにより、ストレス性の内耳障害への保護的作用を持つ可能性が示唆されています 。

ストレス反応系(HPA軸)
視床下部―下垂体―副腎系(Hypothalamic-Pituitary-Adrenal axis)の略で、私たちの体がストレスに反応するときに働くホルモン調節の中枢システムです。具体的には、脳の視床下部がストレスを感知すると、下垂体に指令を出し、副腎からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されるといった具合です。このコルチゾールは、一時的には体を守る役割(抗炎症作用など)を果たしますが、慢性的に分泌が続くと逆に免疫の働きが乱れたり、体の回復力を低下させたりすることがあります。HPA軸が過剰に働くと、内耳の血流障害や神経の炎症反応が生じやすくなると考えられています。

スーパーライザー照射(近赤外線)の役割:非侵襲的な神経節刺激と抗炎症作用

 スーパーライザーは、830nm前後の近赤外線を照射する医療機器で、星状神経節や上頚神経節への間接照射によって、自律神経系を介した血流改善や神経機能調整を目的とします。
 Hamblin(2017)によると、近赤外線照射には、体内で炎症を引き起こす働きを持つ物質の分泌を抑える作用があるとのこと。また、細胞が傷ついたときのストレス反応を落ち着かせる効果も確認されており、これによって神経細胞を守ったり、修復を助けたりする可能性があるとされています。
 国内の文献としては、田畑ら(2004)の報告があります。ここでは、星状神経節ブロックと上頚神経節近傍レーザー照射を併用した治療において、治癒率が有意に高まった(30% vs 11%)としており、スーパーライザーが医療現場でも補助療法として実績を持つことが確認できます 。

医療との連携、補完療法としての位置づけ

 突発性難聴の第一選択はあくまで耳鼻咽喉科でのステロイド治療です。とくに発症1週間以内のステロイド投与は、予後改善において非常に重要とされています。
 その一方で、医師の治療だけでは十分な改善が得られないケースも少なくありません。Merchant(2005)は、突発性難聴にウイルスや自己免疫反応が関与している可能性を挙げ、炎症や免疫系に関わる複数の要因を検討すべきだとしています。また、Nathael(2023)も、自己免疫性内耳疾患では標準治療に反応しにくい症例が存在することを報告しています。
 このような背景から、鍼灸やLLLT(スーパーライザー)は医療を補完する手段として位置づけられ、とくに再発例や治療抵抗性の症例、あるいはストレス要因の強い患者において有効な選択肢となり得ます。

さいごに──「もう治らない」と言われても

 突発性難聴は、突然の発症と、思うように改善が見られない現実との間で、多くの患者さんが不安や戸惑いを抱える疾患です。
「ステロイド治療を受けたのに回復しない」
「原因がはっきりしないと言われた」
「これからどうなるのか不安」
 そんな気持ちを抱えながら、次の一手を探している方も少なくありません。

「じねん堂はり灸治療院」では、鍼灸と近赤外線照射(スーパーライザー)を組み合わせた施術を通じて、血流や神経系、免疫系に多面的にアプローチし、あなた自身の自然治癒力を引き出すサポートを行っています。
 耳鼻科での治療を最優先としながらも、今できることを丁寧に重ねていく。そのひとつの選択肢として、鍼灸や光療法が、あなたの体に寄り添う力になることでしょう。

 不安なとき、どうすればいいかわからないとき。「もう治らない」と言われても、まだできることがあるかもしれない。そう思ったときには、どうぞ一度ご相談ください。

【参考文献】
Kuhn M, Heman-Ackah SE, Shaikh JA, Roehm PC. Sudden sensorineural hearing loss: a review of diagnosis, treatment, and prognosis. Trends Amplif. 2011 Sep;15(3):91-105.
Wu H, Wan W, Jiang H, Xiong Y. Prognosis of Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss: The Nomogram Perspective. Ann Otol Rhinol Laryngol. 2023 Jan;132(1):5-12.
佐藤美奈子, 松永達雄, 神崎仁, 小川郁, 井上泰宏, 保谷則之. 突発性難聴の重症度分類と予後との関係. 日本耳鼻咽喉科学会会報. 2001;104(3):192-197.
Zhang XC, Xu XP, Xu WT, Hou WZ, Cheng YY, Li CX, Ni GX. Acupuncture therapy for sudden sensorineural hearing loss: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. PLoS One. 2015 Apr 28;10(4):e0125240.
Ren W, Tao B, Deng H. The efficacy and safety of acupuncture in the treatment of sudden sensorineural hearing loss: A systematic review and meta-analysis. Integr Med Res. 2024 Dec;13(4):101087.
Shi AN, Li Y, Zhang JJ, Xing Y, Hong YY, Bai P. Effect of acupuncture intervention time on the therapeutic effect in patients with sudden hearing loss. Zhen Ci Yan Jiu. 2024 Jun 25;49(6):618-624.
Eshkevari L, Permaul E, Mulroney SE. Acupuncture blocks cold stress-induced increases in the hypothalamus-pituitary-adrenal axis in the rat. J Endocrinol. 2013 Mar 15;217(1):95-104.
Hamblin MR. Mechanisms and applications of the anti-inflammatory effects of photobiomodulation. AIMS Biophys. 2017;4(3):337-361.
田畑美織, 松本延幸, 村上康郎, 水上智, 松本勲. 突発性難聴に対する星状神経節ブロックと上頚神経節近傍レーザー照射療法併用の効果. 日本臨床麻酔学会誌. 2004;24(6):206-211.
Yang L, Zhou D, Cao J, Shi F, Zeng J, Zhang S, Yan G, Chen Z, Chen B, Guo Y, Lin X. Revealing the biological mechanism of acupuncture in alleviating excessive inflammatory responses and organ damage in sepsis: a systematic review. Front Immunol. 2023 Sep 11;14:1242640.
Hamblin MR. Shining light on the head: Photobiomodulation for brain disorders. BBA Clin. 2016 Oct 1;6:113-124.
Merchant SN, Durand ML, Adams JC. Sudden deafness: is it viral? ORL J Otorhinolaryngol Relat Spec. 2008;70(1):52-60; discussion 60-2.
Breslin NK, Varadarajan VV, Sobel ES, Haberman RS. Autoimmune inner ear disease: A systematic review of management. Laryngoscope Investig Otolaryngol. 2020 Nov 28;5(6):1217-1226.
一般社団法人日本聴覚医学会. 急性感音難聴診療の手引き2018年版. 金原出版.


費用

会員施術料 4,950円
一般施術料 6,600円
初回料別途 2,200円

その他オプション・割引あり
初回60~90分程度
2回目以降45分程度

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構造上の問題による痛み
重篤な疾患による痛み
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取り除けない物理的刺激要因
各種⼼理的要因

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アクセス

〒514-1105 三重県津市久居北口町15-7
近鉄久居駅より徒歩15分/伊勢自動車道久居ICより車で5分
駐車スペース場常2台分あり
※看板がありませんのでご注意ください

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