学会、所属団体での発表履歴

 ここでは過去に学会や勉強会で発表したものを中心に、症例や検証レポートを紹介しています。学会や勉強会で発表したり学術誌に掲載されたりという事は、専門の第三者のフィルターをパスしているということですから、いわゆる「患者さまの声」や「当院の施術(またはトレーニング)でこんな効果が」というアピール、仲間同士で行われる「推薦の声」、そして「一般雑誌への掲載実績」などといった類のものよりは信頼に足りるのではないかと思われます。

鍼灸、その他手技療法関連

整膚手技操作による肩部筋硬度の変化

 整膚という手技療法に出会った私は、その効果を数値的に明らかにしようと検証を行いました。所属していた整骨院の職員は整膚の効果に懐疑的 (というよりむしろ小馬鹿にしていた?) でしたが、まずまずの結果に。色々応用が可能な方法だと感じました。 (第48回 中部理学療法学会)

頚肩部痛及び左側頭部痛

 頚椎捻挫後遺症 (むちうち) に対する経絡治療の治験。掲載紙である経絡鍼療には発表者氏名が『西出孝彦』となっていますが、間違いなく西出隆彦の発表です。 (経絡鍼療 第41巻 第7号 掲載)

経絡治療の本治法が筋硬度に及ぼす影響

 肩の凝りを筋硬度計で数値化し、施術の前後で比較した発表。経絡治療であれば、直接患部患部に鍼をしなくても、そして鍼を体内に深く刺し入れなくても症状を緩和することができるという内容です。しかし後に多少間違った所に刺しても筋硬度が低下するらしいという事を耳にして若干凹みました。 (第59回 日本理学療法学会,理療 第40巻 第4号 通巻156号 掲載)

今何処にあって、何をとらえようとしているのか

「(自分の行っている) 鍼灸治療においては身体をどのように認識し捉えているのか」というテーマのもと、学生向けに書いたレポート。経絡治療という荒唐無稽なものを学ぶためのヒントを示したつもりでしたが、残念ながら掲載されたものには、伝えたいことが真逆の意味になってしまうほどに文章の表現が変わっている箇所がありました。これが人の目に触れているかと思うと、ものすごく恥ずかしいです。 (鍼灸OSAKA Vol.8 No.1 通巻105号 掲載)

当院における往療取り扱いの現状

「同意書とれねえわ理不尽な返礼があるわ鍼灸のみ師なのにマッサージを要求されるわでたまらんす」とボヤくだけの発表。会場ではウケました。(第51回 中部理学療法学会)

不適切な運動療法が症状を長引かせた2症例

 不適切な運動療法(ホームプログラム)によって症状が長引いたと思われる2症例に対して行った、エクササイズのエラー修正と鍼灸施術について報告しました。1例は施術者によるおざなりな指導、もう1例は患者の自己判断によって実施されたエクササイズに問題があると考えられました。(第52回 中部理学療法学会)

パニック障害に胸郭のモビライゼーションが奏効した一例

 パニック障害に対して胸郭のモビライゼーションを行ったところ奏効した事例。初療時から胸郭の動きの悪さがあることは分かっていましたが、経絡治療だけで何とかしようとしてしまい、患者の苦しみを長引かせることとなってしまいました。“奏効”などと書いてはいますが、反省の多い事例です。(第54回 中部理学療法学会)

自律神経症状に対する経絡治療 近赤外線星状神経節近傍照射併用の検討

 鍼灸(経絡治療)単体での施術と、鍼灸と物理療法(スーパーライザー)とのミックス施術とで、症状の改善具合を比較した検証。無効、やや有効、有効、著効の4段階で施術結果を評価しました。ミックス施術の方が20%高い改善率となりました。(第67回 全日本鍼灸学会学術大会)

理学療法領域における鍼灸遠隔治療の可能性

 肩関節周囲炎に対して鍼灸遠隔施術と機能訓練とを組み合わせて実施した事例を報告しました。遠隔部への鍼施術を用いることにより、刺鍼した状態で疼痛を抑制しながら機能訓練を行うことができます。(第56回 中部理学療法学会)

理学療法領域における鍼灸遠隔治療の可能性(第2報)

 第2報として、肩関節周囲炎に対して鍼灸遠隔施術と機能訓練とを組み合わせた事例を詳しく報告しました。(第69回 日本理学療法学会)

腰臀部痛に鍼灸遠隔施術と局所施術とを併用した一例

 上殿皮神経障害が疑われる腰臀部痛に鍼灸遠隔施術と局所施術とを併用して良好な結果を得られた事例を、若干の考察を加えて紹介しました。(第57回 中部理学療法学会)

加圧(筋力)トレーニング、その他の運動関連

加圧筋力トレーニングを膝関節のリハビリテーションに応用した一例

 半月板損傷の術後症例に対して加圧トレーニング® (当時の名称は加圧筋力トレーニング) を用いたリハビリテーションを行った症例。学会参加者に加圧トレーニング®を知る人は皆無で、この時に加圧トレーニング®についての発表を定期的に行っていこうと決心しました。 (第43回 中部理学療法学会)

加圧筋力トレーニングを足関節のリハビリテーションに応用した一例

 両変形性足関節症の術前リハとして加圧トレーニング®を行いました。疼痛が大幅に軽減し、手術を回避する事が出来た成功例です。平成26年現在も定期的に加圧トレーニング®を継続中であり、非常に印象深く重要な症例です。 (第44回 中部理学療法学会)

痛みに対する加圧筋力トレーニング

 大腿骨頭壊死の症例に対しての加圧トレーニング®を行いました。1回のトレーニングで疼痛が大幅に軽減したという成功例です。和痛に特化した、おそらく当時はあまり知られていないメソッドでしたので、学会では発表せずに当院でインストラクターを養成するときだけに使おうとお蔵入りしたものです。 (未発表)

ローカルインディープロレスにおける障害発生状況

 締め切り間際に突然発表を (半ば命令的に) 依頼され、ほぼやっつけで行ったアンケート調査。しかしその結果から見えてくるものがありました。 (第45回 中部理学療法学会)

高齢者の歩行機能改善に対する取り組み

 加圧トレーニング®を用いた下肢の筋力トレーニングと歩行訓練を行った一例。筋力や筋断面積ではなく、歩行速度や連続歩行可能時間に着目したところが (平成18年当時は) 新しかったのではないかと自画自賛。 (第46回 中部理学療法学会)

下肢への加圧ベルト装着により発生する腰部愁訴について

 下肢へ加圧ベルト (筋力アップクンやKAATSU) を装着することによって、腰部に違和感や疼痛などの愁訴が発生することを紹介しました。当時ちらほら湧いていた加圧トレーニング妄信者に対するささやかなアンチテーゼでもありました。 (第47回 中部理学療法学会)

下肢への加圧ベルト装着により発生する腰部愁訴についてー第2報ー

 第1報の内容に、愁訴軽減のための訓練を加えたものを全国規模の学会で発表しました。メディアで取り上げられるなどして加圧トレーニング®の認知度が上がってきたり、加圧トレーニング学会でも基礎研究以外に臨床研究などを取り上げていこうという方針が打ち出されたりしていたので、こういう場で加圧の発表をするのは一段落かなと感じました。 (第57回 日本理学療法学会,理療 第38巻 第4号 通巻148号 掲載)

加圧トレーニングでダイエットの停滞期を脱することが出来るか

 ノルディックウォーキングと加圧トレーニング®のコラボレーション!!
 実は来院者向けに作っていた記事をそのまま発表したというもの。加圧トレーニングの強度に着目し、最小単位で効果が発現するかを検証しています。これまでの加圧トレーニング®がらみの発表に比べると、相当力が抜けています。 (第49回 中部理学療法学会)

当院における減量指導の実際

 ネタのない中で、「中部ブロックで全国学会が行われるのに演題が集まってないからからとにかく出せ!!」という要請に応えるべく、自分のところのノウハウを発表したもの。じねん堂ではハリス・ベネディクトの式ではなく、ギャンプールの式を使うというアピールも少し。 (第60回 日本理学療法学会)

医療関連

新鮮例の足関節捻挫における保存的治療について

 足関節捻挫時にオルソグラスという素材で足関節部を固定し、前足部は固定しない事で筋萎縮を防止しようとした治療法に対する『追っかけ調査』。競技への復帰が早い傾向にありました。
整形外科勤務時代の発表。 (第41回 中部理学療法学会)


 以上のように、じねん堂は長年にわたって自院の手法をこまめに学会で発表し、知見や技術の向上に努めてきました。
 巷には、「検証によって有効性を確認したオリジナルの手法」といった宣伝をし、あまつさえその手法に名称を付して商標登録までしている施設があります。しかし、いくらその検証の成績が優秀であったとしても、検証が自院の中だけで完結しているようでは信頼できるものとは言えません。言葉を選ばずに表現するなら、施術者のマスターベーション。あるいは「ぼくのかんがえたさいきょうのちりょうほう」に過ぎないのです。また、登録商法は自社商品を他社のものと区別するためのものであって、商品の優秀性を担保するものではありません。“®”の付いた手法だからといって、他の手法よりも効果が高いというわけではないですし、ましてや手法の有効性が国に認められたなどということはあり得ません。※商標登録を批判する意図はありません。商標登録は自社製品を守るための大切な手段です。
 施術手法の信頼性を高めるためには、学会等で発表して手法の是非を世に問うことが必要だとじねん堂は考えています。それが難しいというのなら、最低でも検証の内容(被検者の選定方法・介入方法・評価方法など)をホームページなど患者が目にすることのできる場所で詳らかにすべきです。
 じねん堂は開業以来、いいえ、開業以前から、それらを実行してきました。じねん堂の施術に対する真摯さ、実直さを汲んでいただければと存じます。

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