じねん堂では、東洋医学的な鍼灸の選択肢として経絡治療という手法を採用しています。特にじねん堂が採用している流派は、“脉診流” を自称するほど脉診を重視しています。
脉診は文字通り手首の脉を診ることで、患者の心身の状態のみならず、施術者による働きかけの方法や効果、さらには予後までもを推しはかろうとします。
さて、我々が診分けようとする脉の性状にはいくつかの典型的な型があります。
その中でも特殊なものが「七死の脉」とよばれるもの。『この脉が出たら、近々死ぬよ』という7種類の脉です。なかなか現代の鍼灸師が出くわすものではないのですが、以前CCUに入院中の方を施術する機会を得、数回の施術の間におそらく2種類のそれを診ました。2種類目を診た日の夜にその方が亡くなられたので、どうしようもなかったとは分かっていながらも、自分の施術を責めたことが思い出されます。
患者は、私の祖父です。