様々な痛み症状に対する鍼と、鍼が鎮痛を得意とする根拠について– 痛みの施術25年 安心と信頼のじねんどう –

鍼はあなたを痛みから解放する一助となり得ます

 鍼が得意とする鎮痛効果は、生理学的および神経学的ないくつかのメカニズムによって引き起こされるものであると、いくつもの研究で明らかになっています。鍼で痛みが改善する現象は、決して東洋医学の神秘的なパワーによって得られるものではないのです。つまり鍼による鎮痛は、たとえ東洋医学的な考えに基づいて鍼をするツボや刺激方法が選択されていたとしても、痛みが和らぐ現象自体は科学的に説明できるということになります。
 鍼による鎮痛効果を最大限に発揮するには、痛みの種類や原因・要因に合わせて適切に刺激する部位や手法を選択する必要があります。東洋医学的な思想や病体分析はもちろん大切ですが、それ以上に、現代医学的な生理・解剖・免疫学の知識と理論が重要なのです。
 鍼による鎮痛はスピリチュアルではなく理詰めで現実的な働きかけにより成されます。じねん堂はそんな理詰めの手法を、四半世紀にわたって追求し実践してきました。

 じねん堂の鍼施術が、あなたの鎮痛の一助となれば幸いです。

じねん堂で施術することの多い痛み症状

 じねん堂には、様々な痛みでお悩みの方が受療に来られます。代表的なものを紹介します。

じねん堂の施術者は痛み施術のスペシャリストです

 じねん堂は、鍼の技術修練は当然のこととして、痛みに関する専門的な知識のアップデートや、運動器の理学療法に関わる技能の研鑽も欠かしません。令和5年には山口大学医学部の履修証明プログラム「慢性の痛みに関する教育プログラムの構築」慢性痛管理学コースを修了したほか、厚生労働省監督のリハビリ系資格である運動療法機能訓練技能については、認定を受けた平成13年から継続的に単位を取得し、認定登録を更新し続けています。

 とはいえ、「スペシャリストだからどんな痛みも治す」というわけではありません。むしろ知識や経験がある分、鍼では改善が難しい状態が分かってしまうので、施術をお断りしたり、受療の検討を促したり、施術回数を区切って経過をみたりする事例が増えます。ただそれは、根拠のない「治るまで一緒に頑張りましょう」よりもよっぽど患者や病体に対して真摯な姿勢だと、じねん堂は確信しています。
 じねん堂は、最新の知識と長年の経験とに基づき、根拠ある施術を提供しています。どうぞ安心してご来院ください。

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※相談のみの場合、初回料相当の2,200円を頂戴します

【費用】
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鍼が痛みの緩和を得意とする理由

 冒頭にも述べたとおり、鍼による鎮痛の仕組みは生理学的および神経学的なメカニズムによって説明できます。長年の研究により、鍼を刺したその場所(抹消)のみでなく、脊髄や脳にも作用して鎮痛効果を生み出していることが分かっています。ここからは鍼による鎮痛のメカニズムのいくつかを簡単に紹介します。

1. 痛みの経路を利用した鎮痛

 人体には痛みの伝わる経路(神経の連絡路)が存在します。鍼は痛みの経路を制御することで鎮痛効果をもたらすと考えられており、ゲートコントロール理論と下降性疼痛抑制系による鎮痛が知られています。
 ゲートコントロール理論(Gate Control Theory)は、1965年にRonald MelzackとPatrick Wallによって提唱された理論で、痛みの感覚が脊髄にある「ゲート(門)」で調整されるという考えに基づいています。鍼の刺激は太い神経線維であるAβ線維(触覚や圧覚に関与する神経線維)を刺激します。脊髄は太い神経からの伝達を優先的に受け取る特性があるので、その伝達を受け取った脊髄はゲートを閉じてしまいます。すると、細いAδ線維やC線維(痛覚に関与する神経線維)から伝わる痛みの信号が抑制されます。結果、痛みの経路での痛みの伝達が阻害され、痛みが軽減したと感じるのです。
 一方、下降性疼痛抑制系は、脳から脊髄に向かう神経経路を介して痛みの伝達を抑制するシステムです。鍼刺激は脳幹や延髄のある部分に影響を及ぼし、これらの部位から下降する痛みの抑制経路を活性化します。この経路は、痛みを伝える神経の連絡を抑制し、痛みの信号が脳に到達する前にその強度を低下させます。また、鍼刺激によって放出される内因性オピオイドは、痛みの経路における神経の連絡を抑制するため、痛みの感覚を軽減します。
 ゲートコントロール理論では、鍼刺激が痛みの経路におけるゲートを閉じることで抹消からの痛みの伝達を抑制し、下降性疼痛抑制系では、脳からの信号が痛みの経路に対して抑制的な影響を与え、痛みの知覚を減少させています。これらのメカニズムは相互に作用し、鍼による鎮痛効果を発現させると考えられています。

【参考】
Lehmann, J. F., DeLateur, B. J., Stonebridge, J. B., & Warren, C. G. (1981). Influence of acupuncture-like transcutaneous electrical nerve stimulation upon cutaneous perception and pain. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation, 62(6), 297-303.
Zhao, Z. Q. (2008). Neural mechanism underlying acupuncture analgesia. Progress in Neurobiology, 85(4), 355-375.

2. 局所的な血流の改善

 鍼は、局所的な血流を改善することで、痛みの原因となる炎症や老廃物の除去を促進したり、神経系の過敏性を低下させたりなど、さまざまなメカニズムを通じて鎮痛効果を発揮します。これらのメカニズムは、多くの研究により支持されています。
 血流の改善は血管拡張作用のある物質の生成自律神経の反射による血管拡張のほか、筋緊張の緩和などによっても成されます。また、血流が改善することで、酸素や栄養素の供給が増え、組織の修復が促進されるとも考えられています。

【参考】
Zhang, Z. J., Wang, X. M., & McAlonan, G. M. (2012). Neural acupuncture unit: a new concept for interpreting effects and mechanisms of acupuncture. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2012, 429412.
Tsuchiya, M., Sato, E. F., Inoue, M., et al. (2007). Acupuncture enhances generation of nitric oxide and increases local circulation. Anesthesia & Analgesia, 104(2), 301-307.
Li, A., Zhang, J., Xie, Y., et al. (2014). Acupuncture stimulation of the Zusanli point (ST36) enhances peripheral immunomodulation in spontaneously hypertensive rats. Autonomic Neuroscience, 186, 91-97.
Chou, L. W., Hsieh, Y. L., & Kao, M. J. (2013). Local twitch responses are elicited by new needle electrical twitch obtaining intramuscular stimulation (NETOIMS) for myofascial pain treatment. Journal of Musculoskeletal Pain, 21(1), 1-7.

3. 免疫系の調節作用

 鍼による鎮痛は、内因性オピオイドの分泌とサイトカインの調整という2つの免疫系のメカニズムを通じて実現されます。
 内因性オピオイド(エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィンなど)は鎮痛作用を持つ物質で、脳内や中枢神経系の神経細胞、さらには免疫細胞からも分泌されます。鍼をするとその場に集まってきた免疫細胞から内因性オピオイドが分泌され、局所的・直接的な鎮痛効果をもたらすと言われています。
 一方、サイトカインは免疫細胞から分泌される物質で、炎症反応の調節に関与します。炎症を抑えることで痛みを引き起こす物質の産生も抑えられ、結果、痛みの感覚が減少するのです。間接的な鎮痛効果と言えます。

【参考】
Stein, C., & Lang, L. J. (2009). Peripheral mechanisms of opioid analgesia. Current Opinion in Pharmacology, 9(1), 3-8.
Kavoussi, B., & Ross, B. E. (2007). The neuroimmune basis of anti-inflammatory acupuncture. Integrative Cancer Therapies, 6(3), 251-257

4. 脳における鎮痛物質の分泌促進

 鍼による刺激は、脳内でエンドルフィン(内因性オピオイド)やセロトニンといった神経伝達物質の分泌を促進します。これらの物質は鎮痛作用を持ち、痛みを感じにくくする効果があります。特に、エンドルフィンは鎮痛薬と同様の効果を持つことが知られています。鍼をすると末梢(鍼をした局所)でも中枢(脳など)でも鎮痛物質が分泌されるのです。

【参考】
Han, J. S. (2004). Acupuncture and endorphins. Neuroscience Letters, 361(1-3), 258-261.
Zhang, R., Lao, L., Ren, K., & Berman, B. M. (2014). Mechanisms of acupuncture-electroacupuncture on persistent pain. Anesthesiology, 120(2), 482-503.

5. アデノシンが関与する鎮痛

 ATP(アデノシン三リン酸)は、細胞の増殖や筋肉の収縮の際にエネルギーを供給する物質ですが、エネルギー分子としてだけでなく、鍼における鎮痛効果にも関与しています。特に、ATPの代謝産物であるアデノシンが鎮痛効果に寄与していることが多くの研究で示されています。
 鍼によって皮膚や筋肉の細胞が刺激されると、ATPが細胞外に放出されます。ATPはアデノシンに分解され、そのアデノシンが、局所的に存在するアデノシンA1受容体に結合し活性化します。アデノシンA1受容体は、痛みを伝える神経細胞の興奮を抑える働きを持っており、この受容体が活性化されることで、神経の過剰な興奮が抑制され、結果的に痛みの感覚が軽減されると考えられています。またアデノシンは、痛みを引き起こす炎症反応を抑制することで知られています。受容体を介して炎症性サイトカインの産生を抑制し、炎症を軽減する効果があります。このため、慢性的な炎症性疾患に伴う痛みの軽減にも寄与する可能性があります。さらにアデノシンの作用として、神経細胞の修復を促進する効果が報告されています。神経損傷や痛みの持続的な刺激によってダメージを受けた神経細胞が、アデノシンの作用によって修復されることで、痛みが軽減することが考えられます。
 アデノシンの作用を最大化する鍼治療の手法や、個々の患者に最適なアプローチについての研究はまだ進行中であり、今後のさらなる研究が期待されます。

【参考】
Goldman, N., Chen, M., Fujita, T., et al. (2010). Adenosine A1 receptors mediate local anti-nociceptive effects of acupuncture. Nature Neuroscience, 13(7), 883-888
Hasko, G., Linden, J., Cronstein, B., & Pacher, P. (2008). Adenosine receptors: therapeutic aspects for inflammatory and immune diseases. Nature Reviews Drug Discovery, 7(9), 759-770.
Boison, D. (2013). Adenosine as a neuromodulator in neurological diseases. Current Opinion in Pharmacology, 13(1), 69-74.

6. プラセボ効果

 プラセボ効果とは、全く効果のない薬(プラセボ薬)を飲んでも、効果が出てしまうことを指します。効くはずのない鍼で鎮痛されてしまうといった具合です。施術を受けることで「治療されている」と感じることが、患者の脳に影響を与え、痛みを軽減することがあると言われています。
 とはいえ、プラセボ効果は、「ただの気のせい」では済まされないほどの変化を患者の心身に与えています。実際に脳内で内因性オピオイドの分泌が促進されたり、痛み信号の処理や痛みの感覚が再調整されることで痛みの認識が変わったりして、痛み感覚が軽減するのです。また、不安やストレスの低下、治療(施術)への積極的な関与など、多くの利点を提供します。
 痛みの知覚に関与する脳の神経回路や化学物質の変化をもたらすプラセボ効果は、痛みのある者にとって非常に有用な補完的な治療手段となり得ます。

【参考】
Kaptchuk, T. J., Stason, W. B., Davis, R. B., Legedza, A. R., Schnyer, R. N., Kerr, C. E., … & Goldman, R. H. (2006). Sham device versus inert pill: Randomized controlled trial of two placebo treatments. BMJ, 332(7538), 391-397.

 以上のメカニズムが相互に関連し合うことで、鍼による鎮痛効果が発揮されます。したがって、個々の患者や症状によって施術に対する反応の異なる場合があります。同じような施術をしても効く人と効かない人がいたり、刺す鍼と刺さない鍼、あるいは局所への施術と遠隔部への施術といった具合に、まったく別の考え方の手法を行っても同じような効果(鎮痛)が得られたりするのも、このようなメカニズムが働いているからです。

じねん堂で施術することの多い痛み症状 

基本施術料会員:4,950円
一般:6,600円
初回料2,200円
特殊鍼法
【刺血・刺絡】
 東洋医学の理論に基づき、生命の根源である「気」と「血」を動かすために特殊な鍼を用いて皮膚を切ります。少量の出血を伴います。いわゆる「瘀血性の痛み」に対して用います。
 外科手術等の医行為を混同される方もいらっしゃいますが、法的にも認められた鍼の手法のひとつです。 
1回/1,100円
スーパーライザー
 直線偏光近赤外線治療器であるスーパーライザーは、一般的な遠赤外線治療器よりも深部にアプローチできます。全身・局所の血流改善や筋肉・神経・その他の組織の緊張緩和を目的として照射します。
1回/550円
詳細は費用のページをご高覧下さい。

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 鍼による施術は痛みや出血を伴う場合があります。また、以下のような場合、施術による変化が現れにくかったり、症状の“もどり”が早かったり、施術期間が⻑期に及んだり、施術することをお断りしたりすることがあります。鍼にはネガティブな側⾯があり、万能でもないことをご承知おきください。

構造上の問題による痛み
重篤な疾患による痛み
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⾼齢・衰弱による⽣理機能の低下
取り除けない物理的刺激要因
各種⼼理的要因

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