腱鞘炎・テニス肘

患者

　50代男性。⼿や腕を無理な体勢で酷使する職業。
　痛み⾃体は半年ほど前からあり、病院・整⾻院に通っていたが改善しなかったとのことでした。
　上腕の内側の筋緊張が著明。⼿⾸を曲げたり伸ばしたりすると痛みが出て、動かせる範囲も狭くなっていました。特に手首を反らす方向には20度ほどしか動かせませんでした。

施術・経過

【1回⽬】
　腱鞘炎など関節の問題に頻⽤する指のツボに左右2本ずつ鍼をしました。鍼をした状態で関節(腱)の動きを補助しながら手首の運動を行うと、20分程度で痛みは違和感程度になり、動かせる範囲も⼤きくなりました。

【2回⽬】
　5⽇後。
　前回施術後、2⽇間痛み無し。楽になったのでハードワークしてしまい、痛みがぶり返したとのこと。⼿⾸を動かせる範囲は前回よりも広いままで保たれていました。
　指のツボのほかに、ふくらはぎのツボにも鍼をしたところ、疼痛は最初の1割ほどに減弱し、⼿⾸を動かせる範囲は曲げる方にも反らす方にも60度程度に広がりました。セルフケアとしてのストレッチをご案内しました。

【3・4回目】
　指のツボを⽤いて1週間に2回のペースで施術。「施術で楽になる→しっかり仕事をする→痛みがぶり返す」のパターンでした。ふくらはぎ周りのツボの選択を⼯夫し、関節の可動範囲も正常値近くまで改善しました。

【5～7回目】
　1週間～10日に1回の施術。痛みのぶり返しもごく少なくなり、たとえぶり返しても一晩経てば治まるとのこと。7回目で施術を終了しました。

施術者コメント
いわゆる 治す/壊すのイタチごっこパターンです。症状が治まりにくい典型で、免責事項のページでは物理的刺激要因と紹介しています。ハイボルテージ療法やショックウェーブ療法などのいわゆる特殊電気療法を受けても芳しくなかったとのことで、鍼灸の効果も「劇的に！」とはいかないことが予想されました。とはいえ、痛みは出てくるものの可動域が⽐較的保たれた状態で経過した点は好材料でした。酷使しながらも（もちろん加減は必須ですが）改善していく可能性があるとみて施術を続けました。

---