妊娠率70%
非常に高い妊娠率を宣伝材料にしている施術所が見受けられます。
確かに素晴らしい成績だとは思いますが、それを鵜呑みにして良いのでしょうか。
ちょっとした表を作ってみました。
例えば特定不妊治療(体外受精及び顕微授精)を受けていらっしゃる患者様に対して鍼灸を行ったとします。結果、最終成績では70%の方が妊娠に至りました。
しかし、施術周期あたりでみてみると、妊娠率は16%にとどまっています。
日本産婦人科学会ARTデータブック(2012)によれば、総ET(胚移植)あたりの妊娠率は全年齢の平均で28.8%ということですから、果たしてこの施術所における妊娠率が本当に高いと言えるのか。一考の余地があるということになります。
なお、本記事に使用した表は、特定不妊治療を受けた場合の累積分娩割合と助成事業のシステムを参考に、いくらか恣意的に作成しています。現実に存在するものではないことをお知りおき下さい。
三重県の特定不妊治療費助成事業については「みえ 子ども スマイルネット」のページをご覧ください(http://www.pref.mie.lg.jp/D1KODOMO/kodomok/funin/top.htm)
不妊鍼灸における妊娠率
前回の記事、「不妊治療と妊娠率のマジック」では、不妊患者を対象に鍼灸を行っている施術所が喧伝する非常に高い妊娠率について、少し疑いの目をもって考察してみま…