冬季オリンピックが盛り上がっています。私も今でこそウィンタースポーツの“ウ”の字もありませんが、子供の頃は毎シーズン何度もスキーに行っていたので、当時をほんの少し思い出しながらスキー競技を観戦しています。三重県津市に住んでいればはほとんど感じることない、雪による照り返しの眩しさを懐かしく感じます。
照り返しの眩しさと言えば、自律神経症状を訴えて来院されるかたから、「最近目が眩しいんさ」との声を聴くことがあります。もしかしたらその症状も、自律神経機能に関係しているかもしれません。
自律神経の不調で眩しさを感じてしまうしくみ
目に入る光の量は、瞳孔の大きさで決まります。瞳孔とはいわゆる黒目。瞳の真ん中の黒い部分です。これが外界の光の量に合わせて、大きくなったり小さくなったりを繰り返しているのです。外界の光の量が少なければ(暗ければ)瞳孔は大きく。逆に多ければ(明るければ)小さくなります。“ネコの眼”を想像すると分かりやすいかと存じます。
瞳孔が大きくなったり小さくなったりするのは、筋肉の働きによります。そしてこの筋肉の働きをコントロールするのが自律神経なのです。
瞳孔を開く瞳孔散大筋は交感神経が、瞳孔を縮める瞳孔括約筋は副交感神経が、それぞれ支配しています。つまり、交感神経が興奮すれば瞳孔が大きくなり、副交感神経が活発になれば瞳孔が小さくなるわけです。
ですから、ストレスなどで交感神経の緊張状態が続くと瞳孔が散大傾向となり、外界の光の量が多くなっても瞳孔を小さくしにくくなって、眩しさを感じてしまうのです。
以上のようなことが、自律神経の不調によって眩しさを感じるしくみとして考えられます。
自律神経以外の原因
眼が眩しく感じる原因は、自律神経にあるばかりではありません。
50歳代で約50%、80歳以上で100%のかたに症状が現れると言われる白内障*1 によるものであることも多いです。また、角膜の傷や網膜色素変性症などの病気が原因でまぶしさを感じることもあります。
日差しや夜間のヘッドライトが眩しく感じるのであれば、眼科を受診することも大切です。
いかがだったでしょうか。今回は、目が眩しく感じる症状の原因についてお示ししました。
じねん堂では、自律神経の不調で眩しさを感じていると考えられる場合、鍼灸とスーパーライザーの併用により、交感神経の緊張を和らげ、副交感神経を優位にさせることで、症状の緩和を図っています。
【参考】
*1 小原喜隆 ほか「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」(2002)