夜泣き・疳の虫

小児はり とは

　小児はりは主に関西地方で発達した子どものための鍼治療です。
　大人のように鍼を身体に刺すのではなく、「イチョウの葉」や「先の丸い棒」のような形状をしたをした器具を用いて、お子様の皮膚を軽くなでたり触れたりして刺激します。また、棒灸と呼ばれる大きな線香のようなお灸で皮膚を温めることもあります。これらは、皮膚刺激による自律神経への働きかけを目的としたもので、心身バランスを整え、様々な症状の改善や予防が見込めます。とはいえ、どうして小児はりが子供のさまざまな不調に有効なのかは、自律神経説やオキシトシン説などがあるものの、科学的にはよく分かっていません。経験上有効と思われるため、古くから広く実施されてきているというのが現状です。
　東洋医学的には、全身を巡る気の流れをスムーズにすることで種々の症状が和らぐと考えられています。小さな子どもは気の流れが大人よりも早く、その経絡も未発達なため、比較的大きな動きと軽く触れるくらいの刺激量で、十分な効果が得られるとされています。
　小児はりは（一部の例外を除いて）施術の際に痛みが無く、心身への負担の軽い施術法です。 種々の症状でお困りの方はどうぞご相談ください。

伊勢の疳切り

伊勢の疳切りとは、伊勢地方で伝統的に行われていた疳の虫に対する鍼の手法です。

疳の虫とは、親指と人差し指の間に出る青い筋のことで、宇治地区や西豊浜町では虫を封じこむカンノムシノオジイサンという人が筋を切って治したという。鹿海町では針医者に筋を針でついてもらった。

伊勢市史 第８巻 民俗偏, 2009, 250p

　ここでいう “筋(すじ)” は、腱(けん)のことではなく、青く浮いた細い血管のことを指します。
　筋を切ったり鍼で突いたりする手法は刺絡や刺血と呼ばれ、東洋医学の理論に基づいて生命の根源である「気」と「血」を動かすことを目的にしています。一般的には皮膚を切って少量の出血を伴うものですが、小児に対する施術の場合、尖った器具で刺激するのみで出血はさせないこともあります。
　伊勢の疳切りは伊勢地方でも行っている鍼灸院が絶えて久しいのですが、じねん堂は、伊勢で最後まで疳切りを行っていた鍼灸師から直接の手ほどきを受け、継承の許しを得て「伊勢の疳切り」を行っています。 

外科手術等の医行為と混同される方がいらっしゃいますが、刺絡・刺血は法的にも認められた鍼の手法のひとつです。

小児はりの適応年齢

　生後2週間から経絡系が完成する小学生（9歳前後）が小児はりの適応です。

小児はりの施術間隔

　3～4日連続を1クールとして、1~3クール施術します。
　効果を判定してもう数クール続けるか、ホームケアを実行しながら1週間様子をみるか判断します。
　ホームケアで問題なさそうなら3週間経過をみます。症状が緩和した後も3週間に1回の頻度で施術を継続することを、お子様の健康維持・増進の観点からお勧めしています。

子供のための安全な健康法 スキンタッチ

　スキンタッチは小児はりをアレンジした健康法です。一般の家庭でも手軽にできるよう、鍼やお灸の代わりにスプーン・ドライヤー・歯ブラシなどの身近にあるものを利用し、これらの道具でやさしく皮膚を刺激することで健康増進を図ります。
　じねん堂では施術期間中・後のホームケアとして来院中の皆様にご案内しています。

親子スキンタッチ教室のご案内

じねん堂は、平成25年2月および29年11月に、三重県主催で行われた『子育て応援！わくわくフェスタ』において親子スキンタッチ教室をブース出展しています。

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小児はり施術料	1,650円
初回料	1,100円
特殊鍼法 【刺血・刺絡（伊勢の疳切り）】 　東洋医学の理論に基づき、生命の根源である「気」と「血」を動かすために特殊な鍼を用いて皮膚を切ります。少量の出血を伴います。外科手術等の医行為を混同される方もいらっしゃいますが、法的にも認められた鍼の手法のひとつです。 　じねん堂は、疳の虫に対する施術として伊勢地方で伝統的に行われていた「疳切り」を継承しています。	1回／1,100円