右手首の痛み（TFCC損傷）

患者

　30代⼥性
　職業：美容師

　右⼿首の小指側が動かしたり押さえたりすると痛み、⼩指球〜⼩指・薬指に腫れぼったい感じがするとのことでした。また、「⼿⾸の関節の⾻が痛い」とのこと。オーバーユース（使いすぎ）によるTFCC損傷かと思われました。

施術内容・経過

　痛む部分に関係する経絡を利⽤し、⾜⾸付近と⾜の⼩指付近のツボに鍼をしました。
　⼿⾸を動かした時の痛みが3割程度まで弱まったので、鍼はそのままで20分置いたところ、⼿関節の運動痛がほぼ消失しました。腫れぼったさも2割程度となり、他覚的にも中・環・⼩指が細くなったように⾒えたので施術終了としました。

施術者コメント
　TFCC（三角線維軟骨複合体）は、手首の構造の一部であり、手首の安定性と運動に重要な役割を果たしています。急性な外傷や慢性的な過負荷によってこの部分の損傷や障害が引き起こされた状態をTFCC損傷と呼びます。本事例の場合、繰り返しの手首の運動や負担、特に手首を捻った状態での活動（ハサミの操作など）が原因で、TFCCに損傷が生じたと考えられます。
　重度の場合は手術が必要となることもあるTFCC損傷ですが、今回は保存的な療法（鍼による鎮痛と血流改善による抗炎症や組織修復の補助）で寛解する程度の状態だったようです。

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