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動けないほどのぎっくり腰になった時に自分でできること

 腰痛歴は14歳から。鍼灸師の西出隆彦です。
 腰痛歴が四半世紀を超えるとはいえ、いつのころからか腰痛が起こりにくくなったり、腰痛になっても比較的早く治まったりするようになっています。(左足はずっと痺れていますが、生活には支障が無いので無視しています)
 そうなった理由のひとつに、私が編み出した「動けないほどのぎっくり腰対処法」があります。本当は教えたくないのですが、今回特別にご案内しようと思います。

対処法を知る前に

 今回紹介する「動けないほどのぎっくり腰対処法」は、危険な兆候(レッドフラッグ)の無い腰痛にのみ適用されます。

 危険な兆候(レッドフラッグ)とは

  • 発症年齢20歳未満または55歳以上
  • 最近の激しい外傷の経験
  • 安静にしても楽にならない進行性の非機械的痛み
  • 胸部の痛み
  • 悪性腫瘍の経験
  • ステロイドの長期使用
  • 薬物乱用、免疫抑制、HIV
  • 全身性の体調不良
  • 原因不明の体重減少
  • 広範な神経学的症状(馬尾症候群を含む)
  • 身体の構造的な変形
  • 発熱

以上のことをいいます。

 なお、機械的痛み(mechanical pain)とは、姿勢や動作に関連して起こる痛みのこと。何らかの機械的刺激が作用した痛み。そうでないものが非機械的痛み(non mechanical pain)です。また、膀胱機能不全(尿意を感じにくい、排尿しにくい、失禁する)、括約筋不全、サドル麻痺(自転車のサドルに当たる部分の感覚が鈍くなるなど)、下肢の漸進的な筋力低下、歩行障害などがあるときに、馬尾症候群の可能性が疑われます。
 レッドフラッグを有り体に言えば、ヤバい腰痛ということです。怪しいと思ったら鍼灸院やら整体やらに掛からず、すぐに病院です。

病院はなんもしてくれへん。レントゲン撮って湿布と痛み止め出すだけや!

 いいえ。なんもしてくれへんことはありません。病院は危険な腰痛を見極めて対処してくれるところです。それがとてつもなく大切です。
 検査をして、湿布と痛み止で済んだのなら大したことが無いということ。御の字ではないですか。

ぎっくり腰になったなら

 前置きが長くなりましたが、危険な兆候の無いぎっくり腰なら、次のことを実行してください。

最初の2・3日はおとなしく生活

“おとなしく”ではあっても、絶対安静ではありません。ぎっくり腰になった直後から、痛い中でどれくらいの動きならできるのか色々確かめる作業を続けるようにしましょう。これが本当に大切です。

  • 仰向けに寝た状態で……
  • 足首を曲げ伸ばししてみる
  • 足を左右に倒してみる
  • 片膝を立ててみる
  • 両膝を抱えてみる
     
  • 体位を変えてみる
  • 右方向か、左方向か
  • それともうつ伏せか
     
  • 立ち上がってみる
  • 腕をつく場所はどこがいいか
  • 支えるものを掴むのはどちらの手か
     
  • 立てたら歩いてみる
  • すり足・継ぎ足・伝い歩き?
  • 息を止めれば楽に動けるか
  • 息を吐きながらか
  • 振り向くことは出来るか
     
  • 日内変動があるのか
  • 日に日に少しづつ良くなっているのか

少しずつでいいので、何ができるのか確かめるのです。

その後はなるべく普通に生活

 脂汗をかきながらでも立って歩けるようになったなら、なるべく普段通りに生活するよう心がけます。
 もちろん、急激に捻ったりはできないでしょうし、1つ1つの動作を慎重に行うことになるでしょうけれど、それで構いません。だんだんできることが増えてきて、だんだん腰を意識しなくなってくるはずです。


 いかがでしたか?

 これが私なりの「動けないほどのぎっくり腰対処法」です。冒頭で“編み出した”とか、“特別に”と書いた部分に期待して読まれたのなら謝ります。アレは嘘です。
 しかし、経験上、一番有効な過ごし方だと確信しているのは本当です。極めて単純で拍子抜けかもしれませんが、ほんとうなのです。
 私の場合、「やらかした!」と思うようなキツいぎっくり腰でも、1週間から10日で日常生活に戻れることがほとんどです。だから、10日経っても痛みが多く残るようなら施術所を探せば良いと考えています。少なくとも私はそうしていますし、そうしなければならないことは殆どありません。

 さらに、ぎっくり腰当日や翌日に治療をしたからといって、治りが早くなることはありません

 治療しても10日、しなくても10日です。治まる時は治まるし、治まらない時は治まりません。それなら10日待ってから治療院に掛ればエエやないかという話です。もちろん、発症当日や翌日のぎっくり腰に施術することで「大分楽になった」とか、「翌日から仕事に行けた」という声を聴くことも珍しくはないですが、得られた鎮痛と治癒までの期間とは関係ないかもしれませんし、施術しなくても次の日には楽になっていた可能性も否定できないのです。
 そもそも、危険な兆候が無くて、回復を妨げる心理的社会的要因も無ければ、腰痛なんて放っておいても自然に治るものです。(実は心理的社会的要因が曲者)
 これらのことは腰痛診療ガイドラインからも読み取ることができますし、巷の施術者ならだれでも知っています。しかしこれを、例えば問い合わせの時に喋ってしまったりホームページに載せてしまったりしたら患者が来なくなって儲かりませんから、「早く手を打たないと慢性化します!」とか、「ぎっくり腰治療に圧倒的実績」とか、いかにも自分(施術者)が治したと勘違いしてくれそうな宣伝文句で患者を獲得するのです。

 放っておいても治まるのに。罪深いことです。

※じねん堂は、「今日、少しでもぎっくり痛みを減らしたい」といったご要望があれば全力でお応えする所存ですが、ぎっくり腰を取りまく事実のひとつとしてお伝えしました

【参考】
EUROPEAN GUIDELINES FOR THE MANAGEMENT OF ACUTE NONSPECIFIC LOW BACK PAIN IN PRIMARY CARE(2004)

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