子宝祈願に良いところをご存じないですか?
不妊への鍼灸施術に注力しているじねん堂では、時折このような質問を頂戴します。妊活をしている男女にとって、子宝神社や子授けのお寺など、いわゆる子宝スポットは気になる話題のひとつであるように思えます。気晴らしのレジャーや旅行の途中で気軽に立ち寄ることもあれば、祈願することを目的として寺社に向かうこともあるでしょう。
今回は、子宝子授けにご利益があるとされる寺社5選とお参りの方法についてお伝えできればと存じます。
子安神社(皇大神宮所管社)
子安神社は皇大神宮の所管社で、簡単に申せば「神宮内宮の中にある小さなお社」です。御祭神の木華開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が、一夜で身籠り、火を放った御殿の中で三柱の子を無事出産したことから、子授け、安産、厄除けの神として崇敬されているそうです。
宇治橋を渡って左の小路を進み、衛士見張所の横を通ってゆるい坂道を上ると目的地です。
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金剛證寺の子授け地蔵尊(おちんこ地蔵)
伊勢志摩スカイライン(有料道路)の山頂付近にある朝熊岳金剛證寺。伊勢神宮の鬼門を守る寺と言われていて、奥の院に立ち並ぶ巨大な卒塔婆でも知られています。
子授け地蔵尊(おちんこ地蔵)は駐車場からほど近く、仁王門へ続く石段を正面に見て左方向の参道脇に祀られています。その名のとおり男性器を備えた地蔵で、その部分をなでることでご利益があると聞いたこともありますが、定かではありません。なんとなく男性不妊にご利益がありそうと思えます。写真を撮影した日は早朝にもかかわらず先客があり、信仰の篤さを感じました。
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猿田彦神社の子宝池
猿田彦神社は神宮内宮の近くにある神社で、何事も良い方へ導いてくださる“みちひらき”の神、猿田彦大神を祀っています。宮司は猿田彦大神直系の子孫とされる宇治土公(うじとこ)家が代々務めています。
子宝池は本殿を正面に見て左手にある手水舎の奥にあり、池畔には宇治土公家の産霊神(むすびのかみ:天地万物を生み、成長させる力をそなえた神)が祀られているそうです。こちらにお参りすれば、神代から絶えることなく続いている、つまり常に子宝に恵まれている宇治土公家にあやかることができるかもしれません。
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仲山神社
津市美杉町下之川の仲山神社は、五穀豊穣、子孫繁栄と家族円満などを祈願する「牛蒡祭(ごんぼまつり)」で知られています。牛蒡祭りは毎年2月11日に行われ、巨大な男女の性器の形代(かたしろ)を奉納するほか、男根型の御神木に触れることで子孫繁栄のご利益が得られると言われています。
神社はおそらく祭りの時以外は無人で、授与所も拝殿も閉まっています。性器の形代を間近で見ることはできませんし(ショーケースに入ったものを建屋の外から覗くことはできます)、ご神木に触れることもできませんので、もしかしたら子宝のご利益を得るには祭りの当日に参詣しなければならないのかもしれませんが、独特な見た目の狛犬はいつでも出迎えてくれます。
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川口白山比咩神社の子授岩
津市白山町川口の白山比咩(しらやまひめ)神社には、子授岩と名付けられた巨岩が祀られています。案内板には、“子授岩は慈母の形をした巨岩で、(中略)子供の授からない人が祈願をすると、これまた不思議に子供が授かる” と、記されています。巨岩のどこをどう見たら「慈母の形」になるのか、そもそも慈母とはどういった姿なのか筆者には想像もつきませんが、霊験あらたかな神石として古くから崇められてきたようです。
子授岩は、案内板右手の坂の途中にあるフェンスの扉の先をさらに下ったところにあります。距離にして70メートルほどとのことです。道はやや荒れていますので、運動靴を履いていったほうが良さそうです。フェンスの形状的にイノシシやシカ等の野生動物除けの可能性がありますので、開けた扉はきちんと閉めておきたいです。
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参り方のヒント
今回 “最強” と銘打って5つの寺社を紹介しました。しかし、これら5つの寺社のご利益が特別に強力なわけではありません(神宮や猿田彦さんを強力でないと述べるのは憚られますが……)。チョイスの理由はあくまで筆者にとって身近な寺社だったからです。身近でない寺社であれば、伊勢よりも南なら鳥羽の石鏡(いじか)神社にある子宝石がありますし、津より北であれば鈴鹿の子安観音や椿大社が有名です。
とはいえ、この身近というのが、実は非常に重要なのです。
以前祈りの作法についての記事の中でもお示ししたとおり、神への祈りは頻繁であればあるほど、願いが神の耳に留まりやすくなるとされています。つまり、有名な寺社に一度だけ参るより、いろいろな寺社を巡るより、身近な寺社で頻繁に祈ったほうが成就する可能性が高くなるわけです。
たとえば誰かに少し厄介な頼みごとをされたとします。1回だけ頼まれるより、何度も頼まれたほうが引き受けなければならない気になります。また、依頼者が自分だけでなく方々に同じ頼みごとをして回っていると知ったら、別に自分が引き受けなくても構わないと思えます。寺社に祈願する場合も同じです。祈りの作法がご利益を最強にするのです。
不妊治療を続けていく中で、「適度な運動」を勧められる、あるいは指示されることがあると思います。ウォーキングが取り組みやすいとアドバイスされたかもしれません。ウォーキングコースのなかに寺社を組み入れることができるのであれば、ウォーキングのたびにお祈りするのも一つの方法ではないかと存じます。