⾸から肩にかけての痛み・肩甲⾻の間の痛み

患者

　30代後半 ⼥性。セラピスト。
　⾸から肩にかけてと、肩甲⾻の間の痛みを訴えた事例です。
　慢性的に肩や肩甲⾻の間にコリ感がありましたが、ここ3週間ほどは、上を向くことで左の⾸の付け根から肩や背中に痛みが⾛るとのことでした。

施術・経過

　先ずは背中に対応する掌のツボに鍼をしたところ、背中の痛みがほぼとれました。
　肩の痛みもピンポイントになりましたが、⾸は変わらないとのことで、スネ、ふくらはぎ、⼿と、鍼を追加していきました。しかし、なかなか⾸の痛みが変化せず、患者の印象としては、「鍼をうつたびに痛みの場所が微妙に移動している気がする」とのことでした。また、鍼を打った直後は軽くなった気がするものの、動かしてみるとやはり痛い模様。
　そこで、指のツボに鍼をしました。
「めっちゃ楽。急に楽」との⾔葉をいただいたので、（効果の弱かった鍼は抜いて）時間を置きました。
　結果、頚部にほとんど気にならないくらいの違和感が残りましたが、この⽇の施術を終了としました。

施術者コメント
　無駄な鍼数を重ねてしまった事例です。
　鍼をした直後に少し楽になるもののそれが⻑続きしないのは、症状の解釈（診立て）やツボの選択を間違っている場合に起こり得ます。痛みが移動する現象は、一番手の痛みが目立たなくなることで、2番手3番手の痛みが目立ってくることで起こります。
　最終的に痛みは⼤幅に少なくなりましたが、不必要な刺激で患者に負担をかけてしまうこととなり、反省の多い事例です。董氏楊氏奇穴ではなく、頚部への鍼通電の方が速やかに沈痛できていたかもしれません。
　ちなみに、最後に鍼をした指のツボは、頚の症状はもちろんのこと、不妊や更年期障害など婦⼈科疾患にも頻⽤される強⼒な2点です。

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