⾜⾸の痛み（フットボーラーズアンクル？）

患者

　⾼校⽣。
　2週間前。部活中、ジャンプからの着地後に右足首の前が痛くなったとのこと。
　来院時はしっかりとした練習ができておらず、試合が近いためにそろそろ動かなければならないということで来院されました。
　⾜⾸の曲げ伸ばしで違和感と少しの痛みがあり、しゃがみこんで体重をかけると⾜⾸の前がズキン痛む状態で、著明な熱感や腫れはなく、⾈状⾻（⾜⾸の⾻）等のアライメント（⾻どうしの位置関係）は正常と思えました。距腿関節の⾻・軟⾻挫傷、いわゆるフットボーラーズアンクルが疑われました。

施術・経過

　⾻挫傷が⾼度なら荷重時痛の緩和は難しいかもしれないと伝え、施術を行いました。

【1回⽬】
　⼿のツボに3本の鍼をしたところ、体重をかけなければ⾜⾸の曲げ伸ばしでの痛みはなくなり、しゃがみこんだ時の痛みも少しマシになりました。続いて⼿に鍼を1本追加することで、しゃがみこんだ時の痛みは最初の7割ほどになり、さらに⼿⾸周りに4本追加したところで、しゃがみこんだ時の痛みは「最初の半分までとはいかないものの大分マシ」な状態となったので、そのまま時間を置きました。
　最終的にしゃがみこんだ時の痛みが半分程度になり、この⽇の施術を終了しました。

【2回⽬】
　3⽇後。
　練習はできていて、体重をかけた時の痛みは前回治療前の半分程度とのこと。
　⼿のツボに4本の鍼。しゃがみこんだ際の痛みがまだ気になるものの、前回よりは限られた範囲の痛みでした。続いて⼿⾸のツボに3本追加。しゃがみやすくなったとのことで、このまま時間を置きました。
　しゃがみこんだ際の痛みがかなり楽になったとのことで、この⽇の施術を終えました。

施術者コメント
　免責事項のページにある「治療の限界」の、“構造上の問題”や“物理的刺激要因”の存在をうかがわせる事例です。⾻挫傷等が⾼度であった場合、荷重しない状態で⾜⾸を動かした際の痛みは取れても、しゃがみこんだ時点でズキンと痛んだり、仮に治療直後は痛みが半減しても動き出した途端に元に戻ってしまったりします。
今回は損傷の程度が⽐較的少なかったのか、あるいは⾼校⽣の旺盛な治癒⼒に助かられたか、完全ではないにせよ練習ができる程度には疼痛を抑えることができました。治療間隔を狭めたことも良かったと思われます。じねん堂に来院されるまでの2週間は整⾻院で治療を受けていたとのことですので、それも良い⽅向に働いたかもしれません。
　鍼の本数が若⼲多いように思われます。⼿のツボの刺し⽅が良ければ、⼿⾸のツボは使わずに済んだ可能性があります。

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