寝違え

患者

　40代 男性。
　寝違えたのか、上を向いたときに右の肩(肩上部)から肩甲⾻のあたりへ痛みが⾛るとのこと。

施術・経過

　先ずは肩周囲の痛みにアプローチすべく⼿のツボへ鍼をしましたが、症状があまり変わりませんでした。
　そこで、⾸に問題があって肩に痛みが放散するのではないかと考え、⾸の正中からやや外側と肩上部にかけて影響が出るよう⾜先から下腿の外側のツボを使ったところ、⾸の動く範囲が増え、痛みも最初の半分以下に減少しました。そのまま30分ほど鍼を刺したままで時々⾸や肩の運動をし、最終的に1割程度の痛みになったところで施術を終了しました。

施術者コメント
　ファーストチョイスでは痛みを取り除けなかった事例です。表⾯に現れている症状だけに気を取られると、このようなことも起こります。もちろん、症状が出ている部分に対応したツボに鍼をすることで症状が和らぐことも多いのですが、今回は違っていて、もう⼀つ“上流”を意識してツボを選択することで症状が緩和されました。頚椎で言うと、4番目と5番目、5番目と6番目の頚椎をつなぐ小さな関節やその周囲に問題があるようでした。
　寝違えのような急性痛には董氏楊氏奇穴を使うことが多いですが、慢性的に同種の痛みがある場合は低周波鍼通電療法を選択することもあります。