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カウンセリング重視・遠隔治療の施術所と急性腰痛(ぎっくり腰)

 遠隔治療と対話。じねん堂の施術の特徴を端的に表すなら、これに運動を加えれば完成です。

 さて、ある日、前日に余所で鍼治療を受けて全然変わらなかったという急性腰痛の患者さんが来院されました。話を聞くと、2時間治療院にいて、1時間くらい話ばかりで、終わりの30分に「これで治ったら褒めてくださいね」と、手足に鍼(遠隔施術)治療をして……。
 結果、全然変わらないと伝えたら気乗りのしない様子で「5分だけ」と、局所(腰)の治療をしてくれたとのこと。

 腰痛で遠隔施術が主軸なところはもちろん、話が多いところもじねん堂とよく似ています。
 ただ、違った(らしい)のは、雑談やカウンセリング的な対話だけでなく、検査や触診で痛みの場所や要因と考えられる事項をしっかりと説明し、患者の疑問にも現代 医学や東洋医学の見地からなるべくかみ砕いてお示ししたこと。そして、遠隔施術でしっかりと痛みを取ったことです。
 鍼によって痛みが緩和されると、2番手3番手の痛みが目立ってきて、あたかも別の位置に痛みが動いたような錯覚に陥ることがあります。これはよくあること。また、これとは違ったパターンで、最初の痛みのイメージがあまりにも強くて、2番手3番手の痛みなのに「最初と変わらない!」と、錯覚してしまうこともあります。
 今回の患者さんは後者で、「まだ痛い。まだ痛い」と、痛み探しをされていたので、「最初訴えられた痛みが “ここ” だったので、○○の検査をしたり、○○と違いますかって聞いたんですよ?」と、説明をすると、最初の痛みが無くなっていることを得心していただけたようでした。そして、「そうなんですね。先生が(確認のために)押さえた時、痛いのそこと違うのにって思ってました」と、おっしゃいました。
 残念ながらすべての痛みを取り除くことは出来ませんでしたが、最初に訴えていた強い動作時痛や、腰痛の大きな要因と思われた深い部分の筋緊張・圧痛は解消すること ができ、「来てよかったです」と、お帰り頂きました。(遠方でしたので、当院での継続治療は強くは勧めず他の治療院をご案内しました)

「患部に刺さない鍼」や「遠隔治療」を謳う施設はいくつもありますし、「対話」や「カウンセリング」を推す施術所もますます増えてきたように思えます。きっと前任の鍼灸師も、遠隔治療(おそらく経絡治療)でたくさんの患者の痛みを取っていたのでしょうし、対話による働きかけにも実績があったのだと思います。しかし、肝心の診立て(現代医学・東洋医学いずれかあるいは両面)と患者への説明が不十分であると、それらを十分に生かしきれないこともあるのかなと、私は勝手に考えています。
 あとは、患者の状態に合わせた対話でしょうか。急性の強い痛みで来院したのに長々対話をされても、「早く鍼してよ!」と、不信感を抱かせてしまうかも知れませんし。
 診立ての技術、伝える能力、施術の技能、そして対話力。施術者にはそのすべてが求められます。偉そうなことを述べている私も、毎回理想の対話・理想の施術ができているわけではないですし、人づてに、患者さんへこちらの意図が伝わっていなかったと痛感した経験も あります。

 人のふり見てなんとやらです。内省し今後の臨床に活かしたいと存じます。

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